便秘が抜け毛を増やす!?育毛と便秘の切っても切れない不思議な関係
抜け毛が増えてきたときに、どうして抜けが増えたのか原因を突き止め抜け毛を減らしたいですよね。
抜け毛が増える原因には、遺伝、食べ物、生活習慣、ストレスなど様々なものがありますが、便秘も抜け毛を増やす原因のひとつとして考えられています。
どうして便秘をすると抜け毛が増えるのか、便秘を解消すると育毛出来るのかという便秘と育毛の関係をご紹介します。
この記事の目次
便秘とは
便秘とは、排泄の量が少ないこと、毎日排泄がないこと、便が硬くなっていること、なかなか排泄できない、残便感があるなど、いろいろな状態のことを指しています。
毎日トイレで排泄しているから便秘ではないと思っていても、量が少なくて下腹に便が残っているという「隠れ便秘」の人も多いようです。
便秘はカラダに悪いと聞いたことがあると思いますが、お腹に便が残った感じがしたり、お腹が張っている感じは不快に感じますので、ストレスになったり、大腸の病気にかかる危険性が高まったり、痔になる危険性も高まります。
便が腸に残ったままだと、硫化水素やアンモニア、メタン、活性酸素、発ガン物質、発ガン促進物質、アンモニア、硫化水素などの有害物質や、おならの元となるガスが発生します。
また、便秘になると便を硬く圧縮してしまいます。
この時に便と一緒に排泄されるはずだった毒素を含んだ水分が、カラダに再吸収されてしまうことで解毒のために肝臓に送られ、オーバーワークになって肝臓が弱っていくことになってしまいます。
さらに、便が腸の中に残っていると悪玉菌が便を餌に増殖して、善玉菌が減っていき腸内環境が悪化します。
便秘になると抜け毛も増える?
便秘がカラダに与える悪影響は、抜け毛にも及びます。
便秘によって発生した毒素は、肝臓に送られると同時に血液にも送られ、血液が汚れてドロドロになってしまいます。
血液がドロドロになると毛細血管などの細い血管に血球が詰まって血行が悪くなり、頭皮や毛髪の健康のために必要な酸素や栄養素が届きにくくなるとともに、解毒されていない毒素が頭皮や毛髪に届くことになって抜け毛を増やします。
また、血液がドロドロになることで細胞の新陳代謝が悪くなり、カラダが老化してしまい、抜け毛を増やす原因にもなってしまいます。
便秘は、活性酸素を大量に増やしたり、細胞の新陳代謝を悪くするので、肌荒れやニキビなどの肌トラブルの原因になっています。
こうした肌トラブルは頭皮にも現れますので、頭皮の状態が悪くなることでヘアサイクルが乱れ、抜け毛が増え、新しい毛髪は生えにくくなるという薄毛を促進する悪循環に陥ってしまいます。
便秘になることで腸内環境が悪化すると、育毛にいい栄養バランスの取れた食事を食べても栄養を十分に吸収することは出来ません。
栄養が吸収出来ないと、カラダの重要な部分に栄養を回し、毛髪などの命に関わらない部分には栄養が後回しになり、栄養不足で健康な毛髪が育たないし、生えてこないということになります。
便秘になることで頭皮の血行が悪くなっていると、育毛剤を使っても血行促進効果が十分に機能せず、育毛効果も減少してしまいます。
このように、便秘になると抜け毛が増えるだけではなく、育毛のためにやっていることの効果が出にくくなるという避けたい事態になってしまうのです。
便秘を引き起こすのは腸内環境が悪化しているから
便秘になることで腸内環境が悪化するとお伝えしましたが、実は腸内環境が悪化していても便秘になりやすいのです。
腸内には、善玉菌と悪玉菌、善玉菌と悪玉菌の強い方に味方する日和見菌の3種類の菌が生息していて、「腸内フローラ」と呼ばれる生態系を形成しています。
健康なカラダの場合、善玉菌が優勢で腸の働きを活性化したり、ビタミンを合成して栄養不足を補ったりしてくれています。
ところが、悪玉菌が優勢になって腸内環境が悪化すると、腸の働きが悪くなり、便秘を引き起こしてしまうのです。
実は、腸内環境の悪化も抜け毛を増やす大きな原因のひとつになっています。
腸内環境を悪化させる原因
腸内環境を悪化させる原因として、以下のことがあります。
食べ過ぎ
現在の日本人は、食べ過ぎる人が多いようです。
食べ過ぎてしまうと消化に時間がかかり、消化しきれないまま腸に運ばれることになります。
悪玉菌は未消化のタンパク質を分解・腐敗させて、有害物質を作り出すため、腸内環境が悪化します。
ストレス
仕事をしていると、ストレスとは無縁ではいられません。
ストレスを感じると腸の動きが鈍くなり、本来の腸の働きをしてくれなくなります。
肉食中心
日本人はもともと肉を食べていなかったため、肉の消化や吸収に時間がかかると言われています。
育毛に必要な栄養素を含んでいますし、時々は食べた方が良いのですが、毎日食べていると胃や腸に負担をかけてしまいます。
胃や腸が弱った状態だと、食べたものは消化しきれないまま腸に運ばれることになります。
悪玉菌は未消化のタンパク質を分解・腐敗させて、有害物質を作り出すため、腸内環境が悪化します。
抗生物質
病気になると処方されることが多い抗生物質ですが、腸内の善玉菌も一緒に殺してしまうため、一気に腸内環境が悪化します。
合成保存料
入っていない食品を見つけることが難しいと思えるくらい、様々な食品に使われている合成保存料。
この合成保存料も、食品を長期保存するために菌を殺す役割を持っているため、腸内の善玉菌を殺してしまい、腸内環境が悪化します。
不規則な生活習慣
運動不足、寝不足、不規則な食事時間、喫煙、大量の飲酒など、どれを取っても悪玉菌を増やしてしまう習慣です。
腸内環境が悪化する原因は、抜け毛を増やす原因と同じものが多いのに気が付かれたかもしれませんね。
腸内環境の悪化で育毛のために大切なビオチンが不足する
ビオチンとは、ビタミンB群のひとつでビタミンB7やビタミンHとも呼ばれています。
糖質、タンパク質、脂質の代謝を促進し、肌や毛髪などの生成に不可欠なセラミドやコラーゲンの合成にも関係しています。
ビオチンが不足すると、皮膚や粘膜、毛髪がちゃんと生成されなくなり、肌が荒れたり、抜け毛が増えたりします。
ビオチンは様々な食べ物に含まれていたり、腸内の善玉菌が産生することから、不足することはあまりないと言われてきましたが、最近では生活習慣や食生活で不足することがわかってきました。
ビオチンには、
- 毛細血管を丈夫にし、血行を促進させる
- 毛髪を太く丈夫にしてくれる
- 紫外線でダメージを受けた頭皮のサポート効果
- 亜鉛と一緒に抜け毛を減らし育毛の効果を高める
といった働きがあります。
腸内環境が悪化することで、善玉菌が減りビオチンが産生されなくなったり、腸内環境を悪化させる飲酒、喫煙、肉食、抗生物質などでもビオチンが破壊されてしまうため、ビオチン不足が深刻になるのです。
ビオチンが不足すると、抜け毛が増え、毛髪も細く抜けやすい弱い髪になってしまいますので、薄毛を進行させてしまいます。
腸内環境が悪化することで免疫力が低下する
免疫力とは、カラダの中に入ってきた雑菌やウイルスを退治しカラダを守る働きのことです。
免疫力が低下してしまうと、疲れやすくなったり、病気になったり、自己免疫疾患による脱毛症になったりする可能性が高まります。
免疫力が低下すると外からの刺激に弱くなりますので、頭皮も荒れやすくなり、荒れた頭皮を守るために皮脂が過剰に分泌され毛穴を詰まらせ、抜け毛を増やしてしまいます。
腸内に生息する善玉菌は、免疫細胞を刺激して免疫力を高めてくれていますが、悪玉菌が増えると善玉菌は減りますので、腸内環境が悪化すると免疫力も低下してしまいます。
このように免疫力が低下すると、抜け毛が増えたり、自己免疫疾患による脱毛症になったり、薄毛を進行させる可能性が高くなるのです。
便秘を解消する食べ物
便秘を解消するには、食べ物を変えていくことが効果的です。
主に腸内環境を整える食べ物を食べることが便秘を解消する近道になります。
善玉菌を増やしてくれる代表的な食べ物は、乳酸菌が含まれている発酵食品です。
善玉菌の代表的なものが、ヨーグルトのCMなどで広く知られることになった「乳酸菌」です。
乳酸菌には様々な種類があり、働きがそれぞれ異なっています。
人それぞれ腸内に生息している善玉菌の種類も違いますので、乳酸菌が含まれる様々な食べ物を食べて、お腹の調子を確認してみるといいでしょう。
また、食物繊維が便秘にいいのは周知の事実。
食物繊維を豊富に含む食べ物もあわせて食べるといいでしょう。
ヨーグルト
乳酸菌が取れる食べ物として一番有名なのがヨーグルトですね。
メーカーや商品によって含まれている乳酸菌が違いますので、様々なヨーグルトを試してみるといいでしょう。
昔は腸に届く前に胃酸で乳酸菌が死滅すると言われていましたが、最近のヨーグルトでは行きたまま腸に届くそうです。
また、乳酸菌は死んでしまっても生きている乳酸菌の餌になったり、悪玉菌の餌を吸着してカラダの外に排出するなどの有効な働きをすることがわかってきています。
キムチ
キムチに含まれる植物性の乳酸菌は、胃酸に負けず行きたまま腸に届く性質を持っています。
また、キムチに含まれている乳酸菌の量はヨーグルトの100倍とも言われていますし、白菜などの野菜で作られるため食物繊維も豊富に含まれています。
納豆
納豆には乳酸菌は入っていませんが、納豆菌と乳酸菌を共生させると乳酸菌が10倍に増えるという研究結果が発表されています。
また、納豆には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれていますので、便秘の解消に効果的です。
味噌
日本人には欠かせない調味料のひとつである味噌。
味噌にも乳酸菌が豊富に含まれていますので、味噌汁などで毎日飲むようにしましょう。
緑黄色野菜や根菜類
食物繊維といえば、野菜です。
特に根菜類は食物繊維を豊富に含んでいますので、サラダなどの緑黄色野菜と一緒に煮物などにして食べるようにすると効果的です。
果物
ビタミンやミネラル、食物繊維を効果的に摂ることが出来るのが果物です。
食物繊維は消化されずに便の元になる他、腸を刺激して排便を促す働きを持っているので、食物繊維が豊富な果物を食べるといいでしょう。
食物繊維を多く含む代表的な果物は、バナナ、リンゴ、キウイフルーツ、梨などです。
酢
酢は乳酸菌も食物繊維も入っていませんが、腸内の悪玉菌を減らす働きがあります。
また、腸を刺激して蠕動運動(ぜんどううんどう)を促進する働きもありますので、便秘の解消に効果的です。
酢を使った料理を食べたり、最近流行っている飲む酢を飲むようにしてもいいでしょう。
便秘を解消する生活習慣
便秘を解消するためには食べ物だけではなく、生活習慣を改めることも効果的です。
「腸内環境を悪化させる原因」のところでご紹介したように、生活習慣が腸内環境を悪化させ便秘になる原因になっているからです。
質の良い睡眠
睡眠不足は自律神経の乱れを招き、ストレスを感じたり、副交感神経の働きが低下しますので胃や腸も機能が低下し、便秘になりやすくなります。
また、眠っている間に便は作られますので、睡眠時間が短いとちゃんとした便が作られなくなり便秘になってしまうのです。
出来るだけ0:00前後に寝るようにして、睡眠時間も6時間以上取るようにして下さい。
禁煙
タバコを吸うことで活性酸素が大量に増えたり、毒素がカラダの中に入ることで抜け毛が増えてしまいますが、善玉菌を減らし悪玉菌を増やすことにもつながります。
急に禁煙することは難しいと思いますが、喫煙されているのであれば徐々に本数を減らしていき、最終的に禁煙することで腸内環境も整うし、抜け毛も減ります。
適量の飲酒
お酒が好きならば自然と飲む量も増えてしまいますが、飲み過ぎてしまうと胃腸に負担かけることで腸内環境が悪化しますし、抜け毛が増えてしまいます。
厚生労働省が発表している1日ビール500ml程度の適量のお酒を飲むことで、胃腸に負担をかけることもなくなり、育毛にも効果を発揮します。
適度な運動
運動不足は腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を低下させ、便秘の原因にもなっています。
ウオーキングなどの無理のない範囲で有酸素運動を1回30分以上することで、下腹部などの排便時に使う筋肉が鍛えられますし、腸の働きも活発になって便秘を解消出来ます。
水分をしっかり補給する
健康のためには1日2リットルの水を飲むといいと言われています。
水分を補給する量が少ないと、便が硬くなり便秘になりやすくなります。
水をしっかり飲むだけで便秘が解消される場合もありますし、水を飲むことで腸が刺激されトイレに行きたくなります。
カラダの中の老廃物を外に排出する働きもありますし、便秘解消のためにも積極的に水分を補給するようにしましょう。
まとめ
便秘と腸内環境の悪化の密接な関係と、抜け毛に与える影響をご紹介しました。
便秘を解消するための食べ物や生活習慣は、抜け毛を減らすための食べ物や生活習慣と同じようなものが多いです。
髪の毛は、やはりカラダの一部ですから髪の毛だけを考えるのではなく、カラダ全体の健康を考えることが抜け毛を減らし、育毛に効果を発揮する近道なのではないでしょうか。