ハゲは遺伝してしまうのか?父か母か、薄毛の原因はどちらの遺伝子?
ハゲは遺伝するというのはよく聞く話ですが、本当に遺伝によって薄毛になってしまうのでしょうか?
親戚や親、祖父などに薄毛になってしまっている人がいると、自分の薄毛も遺伝だったのかと考えてしまいがちです。
薄毛の原因が本当に遺伝なのかどうか、遺伝だとしたら誰からの遺伝なのか、ハゲが遺伝しているかどうか調べる方法などをご紹介します。
この記事の目次
遺伝によって薄毛になってしまうメカニズム
遺伝による薄毛は、男性型脱毛症であるAGAを発症します。
AGAを発症するメカニズムは、男性ホルモンであるテストステロンと還元酵素である5αリダクターゼが結合することで、テストステロンより10倍~30倍も活動力が強力なジヒドロテストステロン(DHT)が合成されることから始まります。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合することで、TGF-βという増殖抑制因子を生み出します。
TGF-βは、細胞分裂することで髪の毛を成長させる毛母細胞に働きかけ、細胞分裂して増える毛母細胞を抑制し、髪の毛の成長を遅らせたり、止めてしまうことで、成長しないまま抜ける髪の毛を増やしてしまうのです。
AGAを発症すると、どんどん髪の毛が抜けていき、生えてきても短いまま抜けていき、どんどん薄毛が進行してしまうのは、増殖抑制因子であるTGF-βによって毛母細胞の活動を抑制されてしまうからなのです。
AGAが遺伝によって決まると言われる理由
遺伝によってAGAを発症するときにポイントとなる原因は、還元酵素である「5αリダクターゼ」とジヒドロテストステロン(DHT)と結びつく「男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)」の2つです。
5αリダクターゼも男性ホルモン受容体も、誰でも持っているものなのですが、活性が高いかどうかが遺伝によって決められるのです。
男性ホルモンが多いとハゲるとも言われますが、実は男性ホルモンが多くても結びつく5αリダクターゼの活性が高くないとジヒドロテストステロン(DHT)は合成されないので、AGAは発症しません。
逆に男性ホルモンが通常の量であっても、5αリダクターゼの活性が高いとジヒドロテストステロン(DHT)を合成してしまうので、AGAを発症する可能性は高くなります。
また、ジヒドロテストステロン(DHT)が合成されたとしても、男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)の感度が低いとAGAを発症する可能性は低くなります。
このように、5αリダクターゼの活性が高いのか低いのか、男性ホルモン受容体の感度が高いのか低いのかという部分が遺伝によって引き継がれているのです。
父親からの遺伝でハゲる場合
父親からの遺伝で決まるのは、5αリダクターゼの活性になります。
5αリダクターゼの活性が高いと、AGAを発症する確率はとても高くなるので、父親や祖父が薄毛ならば自分も薄毛になると考えてしまうのも間違ってはいないのです。
ただ、父親から5αリダクターゼの活性を遺伝によって引き継いだとしても、父親とは違う場所が薄毛になってしまったり、薄毛にならない場合も多いようです。
母親からの遺伝でハゲる場合
母親からの遺伝で決まるのは、5αリダクターゼの活性と男性ホルモン受容体の感度になります。
母親からは2つの薄毛遺伝子を引き継いでしまうため、母方の祖父が薄毛であれば危ないと言われる理由もここにあります。
5αリダクターゼの活性は優性遺伝と言われているもので、父親か母親のどちらかが5αリダクターゼの活性が高い遺伝子を持っていると、その活性の高い遺伝子を引き継いでしまうという特徴を持っています。
つまり、父親も母親も両方共5αリダクターゼの活性が低い場合だけ、5αリダクターゼの活性が低くなるというわけです。
母親から遺伝する男性ホルモン受容体の感度は、隔世遺伝になります。
母方の祖父が男性ホルモン受容体の感度が高いと、あなたの男性ホルモン受容体の感度も高くなるということです。
遺伝によってAGAを発症する可能性は、母方の祖父がAGAによる薄毛かどうかを見ればある程度予想できると思いますが、絶対とは言い切れませんので気になるのであれば検査することをオススメします。
ハゲが遺伝かどうか調べる方法
あなたの薄毛が遺伝かどうかを調べる方法は、AGA遺伝子検査を受けることです。
AGA専門の医療機関の診療を受ける時に口内の粘膜を綿棒などで採取した後、検査してもらったり、AGA遺伝子検査の検査キットで自宅で採取した後、検査機関に送って結果を知らせてもらうという方法になります。
この検査で、あなたが5αリダクターゼの活性や男性ホルモン受容体の感度をどれだけ引き継いでいるかが数値としてわかります。
ただ、この検査で数値がわかったとしても遺伝だけでハゲるわけではないので、あくまで参考程度にとどめておくことが大切です。
AGAを予防したり、緩和していくための方法
遺伝によって薄毛になりやすいということはありますが、必ずしも薄毛になるわけではありませんし、遺伝していなくても薄毛になっている人は多いものです。
すでにAGAを発症してしまっている場合は、AGA専門の医療機関で診察してもらい、医薬品などを服用することをオススメしますが、治療とあわせてやった方がいい育毛対策があります。
この育毛対策は、まだAGAを発症していない人にも予防という意味で効果があります。
それぞれ見て行きましょう。
適度な運動
仕事をしていると運動をする機会があまりありませんが、運動不足は薄毛を進行させる原因にもなっています。
カラダを動かさないと、筋肉が硬くなることで血行が悪くなったり、活性酸素が過剰に増えたり、肝臓に負担がかかったりします。
活性酸素は紫外線を浴びたり、タバコを吸ったり、排気ガスを吸い込んだり、ストレスを感じたりすると過剰に増えて、健康な細胞や血管などを攻撃することで抜け毛を増やしてしまいます。
適度に運動をすることで、活性酸素を除去する抗酸化酵素が活発に働き活性酸素を減らすのですが、運動をしないと抗酸化酵素の働きが低下し、活性酸素が増え続けるのです。
人間は運動することでエネルギーを消費しますが、運動不足だと消費されなかったエネルギーが肝臓に脂肪として蓄積してしまいます。
脂肪肝になってしまうと肝機能が低下しますので、髪の毛の主成分であるタンパク質が合成される量が減ってしまい、髪の毛に回される前に生きるために必要な場所で消費されてしまうので、抜け毛が増えてしまうのです。
激しい運動は逆効果になってしまいますが、ウオーキングなどの有酸素運動を1日30分程度行なうことで、血行も良くなり、活性酸素も減り、肝臓に脂肪が蓄積されなくなります。
栄養バランスのいい食事
野菜をあまり食べないとか、脂っこかったり塩分が多い食事が多い、インスタント食品やコンビニ弁当が多いという食事を続けていると抜け毛を増やす原因になります。
髪の毛を成長させるためには、ビタミン類、ミネラル類、タンパク質などの栄養素がバランス良く摂取される必要があります。
ところが、好きなものだけを食べ続けていたり、忙しいためにインスタント食品などを食べていると、栄養バランスが偏ってしまい、毛母細胞が栄養不足で髪の毛を成長させられなかったり、血行不良になったり、肝臓に負担がかかったりします。
脂っこいものや塩分が多いものを食べると、血液がドロドロになってしまうので、血行が悪くなって毛母細胞に酸素や栄養素が届きにくくなって、抜け毛を増やしてしまいます。
脂っこいものや塩分が多いもの、インスタント食品などの添加物が多く含まれている食べ物を食べていると、中性脂肪が肝臓に蓄積されてしまいます。
カラダを健康に保つことが根本的な育毛対策だと管理人は考えているので、食生活の見直しは必須の育毛対策です。
頭皮マッサージ
育毛のためには、髪の毛が成長するための土台である頭皮の環境を整えることも大切です。
歳を重ねていくと、頭皮が固くなってしまうことで血行が悪くなったり、乾燥してしまうことで頭皮のバリア機能が低下してしまったり、皮脂や老廃物によって毛穴が詰まってしまうことで髪の毛が弱くなってしまいます。
頭皮マッサージをすることで、固くなった頭皮を柔らかくし血行を促進したり、頭皮が柔らかくなることで乾燥を緩和したり、毛穴に詰まった皮脂や老廃物を取り除くことが出来ます。
シャンプーをする時に一緒に頭皮マッサージをすることで、頭皮を清潔に保つことが出来ますし、忘れることなく毎日続けることが出来ますので、オススメです。
ちゃんとした睡眠
仕事が忙しいと生活のリズムも不規則になってしまい、睡眠時間も短くなりがちです。
しかし、育毛のためにはしっかり睡眠を取ることも大切なのです。
寝ている間に成長ホルモンが一番分泌されますので、この成長ホルモンが傷ついた髪の毛や細胞を修復したり、毛母細胞を活発にすることで髪の毛を成長させたりしてくれます。
成長ホルモンが分泌される量が一番多いゴールデンタイムが22:00~2:00の間だと言われていますので、この間に寝ていることが育毛にとって理想的なのです。
出来れば0:00までに寝るようにして、髪の毛の成長を促すようにしましょう。
まとめ
遺伝によって薄毛になるのかどうかをご紹介しました。
両親から遺伝するのですが、どちらかと言えば母方の祖父の影響が一番大きいように思います。
ただ、遺伝していたとしても薄毛になっていない人達がいることを考えても、遺伝と生活習慣との組み合わせが本当の薄毛の原因だと言わざるをえません。
もしAGAを発症しているのなら治療を続けながら生活習慣を見直して、まだAGAではないのなら予防のために生活習慣を見直しましょう。