ゴースト血管が薄毛の原因?毛細血管を強くし新生させると育毛出来る
薄毛を改善するには、血行を促進させることが大切だということを聞いたことがあると思います。
血行を促進させるために食べ物や飲み物、育毛剤、運動などを取り入れて、育毛している方も多いことでしょう。
しかし、どれだけ血行を促進させても血液が流れる毛細血管が少なくなっていると、毛乳頭へ血液がそもそも届かないので育毛の効果もあまり感じられないものです。
毛細血管と薄毛の関係、毛細血管を増やし育毛の効果を高める方法などをご紹介します。
この記事の目次
毛細血管とは
出典:コトバンク
毛細血管とは、動脈と静脈をつなぐ細い血管のことで、全身の血管の95%にも及び、長さは約10万Km(地球2周半)とも言われています。
直径は5~20μm程度で、赤血球がようやく通れるくらいの大きさなので肉眼で確認することは出来ないくらいの大きさです。
毛細血管はカラダ中の組織細胞に網目状に張り巡らされていて、血液中のビタミンやミネラルなどの栄養素や酸素を毛細管壁を通じて細胞ひとつひとつに送り込み、二酸化炭素や老廃物を細胞や組織から受け取りカラダの外に排出する働きを持っています。
毛細血管は循環器系の最も基本的な役割を果たしていますが、血液がドロドロの状態になると、毛細血管を血液が流れにくくなり、細胞との栄養素や老廃物のやり取りも難しくなるので、健康を損ねる危険性が高まるのです。
↓健康な毛根と周囲の血流状況
このYoutube動画は理想的な状態になっていて、毛根や周囲の血流の状況を100倍に拡大したものです。
毛細血管の細さや血流がスムーズで健康な髪の毛が生成されていく状況がよくわかります。
毛細血管のゴースト化とは
ゴースト化した毛細血管をゴースト血管と呼びますが、血管の形はあるのに血液が流れない状態のことを指していたり、毛細血管が減ることを指しています。
毛細血管は20歳代をピークに年々減少していき、60歳代ではピーク時の40%を失っていることがわかっていますが、他にも血管が老化したり機能低下することによって、血液の中の栄養素や老廃物などの成分が漏れ出し炎症を起こして、ゴースト血管になることもあります。
また、紫外線や生活習慣などで活性酸素が大量に増え、毛細血管を傷つけたり、血管を構成している壁細胞や内皮細胞がダメージを受けて血管がつぶれることでも、血液が通れなくなりゴースト血管になるのです。
その他にも、以下のような原因で毛細血管のゴースト化が起こります。
運動不足
カラダを動かすことで血液やリンパの流れが正常に起こりますが、カラダを動かさないと血液もリンパも流れが悪くなり、カラダがあまり血液を流さなくてもいいと判断をすることで血流が滞るようになって行きます。
特に運動不足になると下半身への血流が悪くなり、足がむくんだりしますが、ふくらはぎは第二の心臓と言われるくらい血流に大きく関与しているので、カラダを動かさないことでふくらはぎが固くなると、ますます血流が滞ります。
血流が滞ると、毛細血管にも血液が十分に流れなくなるため、ゴースト血管が増えてしまうのです。
肥満
太りすぎるのもゴースト血管を増やす原因になっています。
毛細血管がカラダ中に網目状に張り巡らされていることはお伝えしましたが、太って脂肪が大量にカラダに付くと必要のない脂肪にまで毛細血管が拡がってしまうのです。
血液の量や血流は太っても、太っていなくても同じですので、不必要に毛細血管が拡がってしまうと必要なところまで十分に血液が行き届かなくなってしまいます。
その結果、ゴースト血管が増えてしまうのです。
食べ過ぎ
食事をすると、消化・吸収のために胃や腸に血液が集中します。
食べ過ぎると消化・吸収に時間がかかりますので、その分胃腸以外の場所への血流が悪くなっているため、毛細血管がゴースト化しやすくなります。
また、いつも何かを食べていたり、いつも食べ過ぎたりしていると、常に胃腸に血液が集まる体質になりますので、手足や頭皮の毛細血管がゴースト化しやすくなるのです。
毛細血管のゴースト化と薄毛の関係
もうお気づきだと思いますが、髪の毛の成長や生成には毛細血管から毛乳頭へ血液が十分に行き届くことが必要なのに、頭皮の毛細血管がゴースト化することで血液が毛乳頭へ行き届かなくなり、抜け毛が増えてしまうのです。
特に前頭部の生え際や、頭頂部が薄毛になりやすいのは、前頭部の生え際や頭頂部に毛細血管が少ないため、血液が行き届かないということと、毛細血管のゴースト化が起こりやすいということが挙げられます。
また、薄毛を促進してしまう生活習慣があるのですが、実は毛細血管をゴースト化する生活習慣と同じものがあります。
それぞれ見て行きましょう。
タバコ
毛細血管をゴースト化する一番の生活習慣は喫煙です。
タバコを1本吸うことで100兆個の活性酸素がカラダの中に発生すると言われていますので、毛細血管はもとより毛母細胞なども攻撃の対象になってしまい、毛細血管のゴースト化や毛母細胞の老化を引き起こし、薄毛を加速させるのです。
また、タバコに含まれているニコチンは末梢血管を収縮させるので、血流量を減少させることで毛細血管のゴースト化を促進します。
ストレス
毛細血管の血流は、毛細血管につながっている「細動脈」という血管の拡張によって血流が起こります。
細動脈は、怒りやストレスなどを感じた時に交感神経が活性化すると閉じられてしまうため、毛細血管への血流が悪くなってしまいます。
仕事などで常にストレスを感じていたり、溜め込んでいると、細動脈が閉じている時間が長くなりますので、毛細血管のゴースト化が促進されてしまいます。
肩コリ
肩コリは毛細血管がゴースト化することでも起こりますし、肩コリがひどいから毛細血管がゴースト化することもあるという、原因と結果の両方に関わる症状です。
肩コリをすると、血流やリンパの流れが悪くなりますので、特に頭皮の毛細血管がゴースト化しやすくなって、薄毛の進行に大きく関わります。
また、カラダの毛細血管がゴースト化することで血流が悪くなったり、血液中の酸素が少なくなって肩コリをすると、頭皮への血流がさらに悪くなりますので、頭皮の毛細血管もゴースト化しやすくなり薄毛が進行してしまいます。
目の酷使
仕事をしていると、パソコンやタブレット、スマホなどを長時間見続けることも多くなると思いますが、目を酷使することも毛細血管のゴースト化を引き起こします。
実は頭皮の毛細血管のほとんどは目の周りから伸びているので、目を酷使することで目の周りの筋肉が緊張して固くなった状態になり、血管も萎縮することで頭皮への血流が滞ってしまうために、抜け毛が増えたり、頭皮の毛細血管のゴースト化が起こるのです。
食生活
毛細血管は赤血球がようやく通れるくらいの太さだとお伝えしましたが、糖質や脂質の多い食べ物をよく食べる場合は、血液がドロドロになってしまったり、血管内にコレステロールが付着して血流が悪くなったりすることで、毛細血管まで十分な血液が流れなくなってしまいます。
また、水分をあまり飲まないでいると血液中の水分量が減少してしまい、血液がベトベトになって血流が悪くなってしまい、ゴースト血管を増やす原因になってしまいます。
減ってしまった毛細血管を新生させる方法
毛細血管が生活習慣や加齢などで減りやすいのは伝わったと思うのですが、減ってしまった毛細血管を元に戻せるかどうかが気になると思いますが、元に戻せます。
正確に言えば、新しく毛細血管を作ることを新生と言いますが、毛細血管を新生したり、流れなくなった血液を毛細血管にまた流すようにしたりすることが可能です。
まずは、毛細血管をゴースト化してしまう原因を取り除くことから始めましょう。
仕事などで止めることが難しいものもありますが、ストレスや目の酷使などは溜め込まないようにストレスを解消したり、目の疲れをほぐしたり、休めたりして影響を少なくするといいですね。
その他に毛細血管を新生させるためにやった方がいいことをご紹介します。
栄養バランスのいい食事
薄毛を改善するためにも栄養バランスのいい食事は必須ですが、毛細血管を新生するためにも食事の栄養バランスは大切です。
特に血中脂肪や血糖値の対策は血液をサラサラにしたりする上でも大切なので、イワシ・サンマ・サバなどの青魚、山芋やオクラ、ニンニクや玉ねぎ、豆腐や納豆、緑黄色野菜などは積極的に食べたほうがいいでしょう。
栄養バランスを良くするためにいつも気を使うのは大変なので、使う食材の種類を増やし、品数を増やすことで、特に意識することなく栄養バランスは整いますので、あまり気負わず多くの食材を食べるようにしましょう。
適度な運動
運動不足の時に、いきなりジョギングなどはハードな運動になりますので、逆に毛細血管にダメージを与える可能性があります。
ウォーキングなどの有酸素運動を無理なく続けると、血行促進になりますので抜け毛対策にも、毛細血管の新生にも効果が高くなります。
ウォーキングは1回30分~1時間程度行なうことが理想的ですが、時間がなかなか取れない場合は「その場スキップ」をするといいでしょう。
手と足をしっかりと上に上げて20回、その場でスキップするだけです。
朝・昼・夜と1日3回やれると足の方に溜まった血液やリンパを流す力を高めることが出来るようになっていきます。
毛細血管を修復する作用を持つスパイス
毛細血管がダメージを受けたり、老化することでゴースト化しますが、毛細血管を若返らせ健康にするには、毛細血管細胞の中にある「Tie2(タイツー)」という受容体を活性化させることで、毛細血管の機能が回復し、健康にすることが可能です。
Tie2(タイツー)を活性化させる作用を持つスパイスは「シナモン」と「ヒハツ」です。
シナモンには、シンナムアルデヒド(桂皮アルデヒド)というTie2(タイツー)を活性化させる成分が含まれていますし、ヒハツにはピペリンという辛味成分がTie2(タイツー)を活性化させることがわかっています。
シナモンはシナモントーストにしたり、カプチーノを飲んだり、アップルパイやスパイスカレーに入れたりと馴染みがありますので、摂取の仕方で迷わないと思いますが、ヒハツはあまり聞き慣れないので摂取の仕方がわからないかもしれません。
ヒハツは沖縄の島コショウのことで、普通のコショウにウコンが混ざったような味になっています。
料理するときに、コショウの代わりにヒハツを使うと違和感なく摂取することが可能です。
シナモンもヒハツも、撮りすぎると健康を損なう危険性がありますので、多くても1日2g(ティースプーン1杯程度)までにしておきましょう。
カラダを温める
お風呂に入った時にシャワーではなく湯船に浸かったり、ふくらはぎをマッサージしたり、生姜を積極的に食べたりすることで、カラダの内側から温めるようにすると血行が良くなるので、毛細血管のゴースト化を防ぐことが出来ます。
シナモンやヒハツもカラダを温める効果がありますので、毎日1g~2g摂取するようにすると育毛にも毛細血管を修復するのにも効果が高くなります。
まとめ
毛細血管と薄毛の関係性をご紹介しました。
毛細血管は、主治医が見つかる診療所やためしてガッテンなどのテレビ番組でも取り上げられることが多いので、興味がある話題だったかもしれません。
育毛といえば、血行促進が大切だと言われていますが、頭皮の毛細血管がゴースト化していたら、毛乳頭に血液が届かないのでいつまで経っても育毛の効果が出ないなんてことになります。
育毛の対策はいろいろありますが、効果を高めるためにも毛細血管を若返らせ、新生することで育毛剤の成分が浸透しやすくなったり、髪の毛に必要な栄養や酸素が十分に行き届き、健康な髪の毛が生えてくることにもつながります。
最低でも運動とスパイスは欠かさずに習慣にすると、抜け毛も減り、育毛を実感できる期間が短くなると思います。