育毛するためにコーヒーは飲んじゃダメ?カフェインのメリットとデメリットを正しく知ってコーヒーの育毛効果を高めよう!
コーヒーを飲む人が多くなってきたように感じますが、コーヒーは薄毛に関する意見が真っ二つに別れるという、おもしろい効果を持っています。
コーヒーが育毛に効果があるという意見も、コーヒーが薄毛を促進させるという意見も、それぞれちゃんとした根拠があるようです。
コーヒーが好きであれば、育毛のためにコーヒーを諦めたほうがいいのか、飲んでもいいのか気になると思いますので、コーヒーが育毛にどう関係するのか、ご紹介します。
この記事の目次
コーヒーには育毛効果があるという説
コーヒーには健康効果や育毛効果があると言われていますが、主にコーヒーに含まれているカフェインとポリフェノールの一種であるクロロゲン酸の働きによるものです。
育毛に関する効果をそれぞれ見て行きましょう。
肝機能の向上
コーヒーを飲むことで、肝機能が向上することがわかっています。
肝臓には髪の毛の主成分であるタンパク質を合成する働きがあるため、肝臓が弱っていたり、肝機能が低下していると、タンパク質が不足して髪の毛が成長途中で抜け落ちたり、弱く抜けやすい細い髪の毛になったりするのです。
コーヒーを飲むことで肝臓の健康をキープ出来ると、髪の毛の健康をキープすることにつながります。
リラックス効果
コーヒーの香りを感じると、リラックスした時に出るα波が脳から出ていることが研究でわかっています。
ストレスを頻繁に感じていたり、ストレスを溜め込んでいたりすると抜け毛を増やし、薄毛を進行させる原因になります。
仕事をしているとストレスとは無縁でいられませんが、コーヒーの香りに包まれることでリラックスし、ストレス解消をすることで抜け毛の予防につながります。
高い抗酸化作用
コーヒーに含まれているポリフェノールのクロロゲン酸は、高い抗酸化作用を持っています。
現代に生きる人達は紫外線や生活習慣などで、カラダの中に過剰に活性酸素が発生しやすくなっていますが、活性酸素は細胞を老化させることで機能を低下させたりしますが、毛母細胞も活性酸素によって老化させられると、抜け毛が増え薄毛が進行します。
クロロゲン酸は、高い抗酸化作用によって過剰に発生した活性酸素を除去する働きがあるため、毛母細胞などの細胞が老化するのを防ぎ、抜け毛を予防してくれます。
血行促進
コーヒーを飲むことで2時間程度、血行を促進する作用があることがわかっています。
以前は、カフェインによる血圧上昇の効果で血行が促進されると言われていましたが、最近のアメリカの高血圧症の女性に対する研究でカフェインと血圧上昇には関係がないことが証明されています。
ただ、コーヒーを飲むことで血行が促進されるという研究結果は間違っていませんので、コーヒーのどの成分が作用しているかは不明ですが、コーヒーを飲むことによる血行促進効果はあります。
髪の毛が成長したり、新しい髪の毛が生えてくるためには、頭皮や毛母細胞に酸素や栄養が十分に行き届く必要がありますが、血行が悪いと酸素や栄養が十分に行き渡らず、抜け毛が増えてしまいます。
2時間程度と効果は短いですが、コーヒーを飲んだ後の2時間だけでも血行が促進されれば、血行が悪いままでいるよりも育毛に効果を感じられるのではないでしょうか。
ジヒドロテストステロン(DHT)をカラダの外へ排出
コーヒーには利尿作用がありますが、ジヒドロテストステロン(DHT)は尿によってカラダの外へ排出されます。
ジヒドロテストステロン(DHT)とは、AGA(男性型脱毛症)の原因になっている強力な男性ホルモンのことです。
通常の男性ホルモンであるテストステロンと、還元酵素である5αリダクターゼが結びつくことで、ジヒドロテストステロン(DHT)になり、毛乳頭細胞に存在するアンドロゲンレセプターと結びつき、TGF-βと言う増殖抑制因子を生み出すことで毛母細胞の活動を低下させ、AGA(男性型脱毛症)を発症します。
コーヒーを飲むことによる利尿作用で、ジヒドロテストステロン(DHT)がカラダの外に排出されれば、抜け毛の予防につながります。
ジヒドロテストステロン(DHT)の働きを抑制
ドイツのフリードリヒ・シラー大学の研究で、カフェインにはジヒドロテストステロン(DHT)の働きを抑制する効果があることが証明されました。
この研究では、AGA(男性型脱毛症)を発症している男性の毛包を採取し、テストステロンだけ使用、テストステロンとカフェインを使用、カフェインだけ使用と3パターンで毛包が成長するかどうかを調べたものです。
その結果、テストステロンとカフェインを使用、カフェインだけ使用の2通りで毛包の成長が認められ、カフェインの持つジヒドロテストステロン(DHT)の抑制効果が証明されました。
コーヒーを飲むことで、ジヒドロテストステロン(DHT)の働きが抑制されるとAGA(男性型脱毛症)の症状が緩和されるかもしれません。
IGF-1を増加させる
アスク井上クリニックの研究では、クロロゲン酸にはカプサイシンのように知覚神経を刺激する作用があり、IGF-1の増加が認められたそうです。
IGF-1とは、毛乳頭細胞に多数存在しているインスリン様成長因子のひとつで、毛母細胞に発毛指令を出し、髪の毛の成長期を延長したり、休止期を短くしたりして、ヘアサイクルを正常な状態にしてくれるアミノ酸が結合したタンパク質のことです。
この研究では、マウスにクロロゲン酸を多く含むコーヒーを投与したグループと、クロロゲン酸が少ないコーヒーを投与したグループに分け比較したところ、クロロゲン酸を多く含むグループのIGF-1の量は、クロロゲン酸が少ないグループの2倍だったそうです。
IGF-1が増加することによる発毛効果は、名古屋市立大学の岡嶋研二教授の研究論文で発表され、育毛剤に配合されるなど注目を集めています。
岡嶋教授と伊藤園の中央研究所の共同研究では、認知機能の改善にクロロゲン酸の効果を調べたところ、脳の中にある海馬においてIGF-1の産生促進効果が認められたとのことです。
コーヒーを飲むことで、IGF-1が増加すると育毛・発毛に効果を発揮してくれます。
コーヒーには薄毛を進行させる効果があるという説
コーヒーには、健康を害したり、薄毛を進行させるとも言われています。
主にカフェインの持つ効果が、健康や薄毛に影響を与えると言われていますが、それぞれ見て行きましょう。
覚醒作用による睡眠の阻害
コーヒーは眠気覚ましになると言われるように覚醒作用がありますが、寝る前に飲むとなかなか寝付けなかったり、睡眠が浅くなったりします。
睡眠不足や、ちゃんとした睡眠が取れない状態が続くと、抜け毛を増やしますので、1日最低でも5時間のしっかりとした睡眠は育毛対策には必須です。
コーヒーを飲むことで、睡眠が阻害されてしまうと抜け毛が増えてしまいます。
タンニンが亜鉛の吸収を阻害
コーヒーの渋み成分であるタンニンは、亜鉛の吸収を阻害してしまうことが知られています。
亜鉛は、髪の毛を成長させたり、生成したりするのに必要なミネラルで、亜鉛が不足すると、髪の毛が抜けやすくなったり、弱く細い髪の毛になったりします。
コーヒーを飲むことで、亜鉛不足になってしまうと、抜け毛が増えたり、髪の毛が細く弱くなって頭皮の地肌が見えるようになります。
アデノシンの働きを抑制する
コーヒーに含まれるカフェインは、アデノシンの働きを抑制することがわかっています。
アデノシンとは、DNAの塩基配列に遺伝情報のコードとして用いられていたり、カラダの中のエネルギー輸送に関わっていたりする重要な核酸の一種です。
アデノシンは、FGF-7という成長因子を生成することで、毛母細胞の細胞分裂を促進する働きを持っていて、元気で強い髪の毛を育てたり、ヘアサイクルを正常な状態に戻したり、血行を促進する作用もあり、育毛には大切な役割を持っています。
コーヒーを飲むことで、アデノシンの働きを抑制されると育毛の効果も低下する可能性があります。
カラダを冷やす
コーヒーに含まれるカフェインは、血管収縮作用があり、抹消の血管まで血液が行き渡りにくくなって体が冷えると言われています。
また、温暖な地域で栽培されているコーヒーはカラダを冷やす「陰」の飲み物とも言われ、飲むことで内蔵まで冷やしてしまうとも言われます。
カラダが冷えると、代謝機能も低下しますし、血流も悪くなるため、頭皮や毛母細胞の働きも鈍くなり、抜け毛が増えて、薄毛が進行してしまいます。
コーヒーの飲み方で効果が変わる
ここまで、コーヒーを飲むことによる育毛へのメリットとデメリットをご紹介してきました。
効果が正反対なものも多く、何か矛盾したものを感じてしまいますが、どちらも研究の結果証明されている効果でもあります。
私もコーヒーが好きで、多い日で1日に5杯~6杯くらい飲んでしまうのですが、寝る前に飲んでもぐっすり眠れますし、手や足などの冷えも感じません。
デメリットに関しては、カフェインは慣れると言いますし、あまりコーヒーを飲まない人にとって感じられるものなのかもしれません。
かといって、メリットを十分に感じているのかと言われれば、リラックス効果と血行促進によるカラダのポカポカ感くらいで、他の効果をしっかり感じたことはありません。
育毛に効果があるとは言え、コーヒーは医薬品ではなく嗜好品なので、ずっと長く飲んでいくことでメリットもデメリットもわかってくることなのかもしれません。
そうしたことを踏まえて、出来るだけコーヒーのメリットを活かすための飲み方をご紹介します。
コーヒーのメリットは、クロロゲン酸の効果によるところが大きいと思いますので、クロロゲン酸を多く摂取できる飲み方が理想と言えます。
コーヒーは、コーヒー豆を焙煎したものを粉にしてドリップしますが、クロロゲン酸は熱に弱く、長時間焙煎した深煎りのコーヒー豆はクロロゲン酸が減少しているため、焙煎時間の短い浅煎りのコーヒー豆を選んで下さい。
コーヒーは、カラダを冷やす「陰」の飲み物と言われていますので、アイスではなく出来るだけホットで飲むようにして、一般的に言われているように1日2~3杯程度に抑えておくといいでしょう。
カフェインは摂取しすぎると中毒性があるため、カラダの健康を害してしまいますし、カフェインによるアデノシンの働きを抑制する効果、タンニンが亜鉛の吸収を阻害する効果など、コーヒーのデメリットが大きく作用する可能性もありますので、多くても1日6杯までが限度ではないでしょうか。
まとめ
コーヒーによる育毛効果と、薄毛の促進効果についてご紹介しました。
いろんなサイトやブログで、コーヒーについて語られていますが、やはり嗜好品としての捉え方が一番しっくり来ますし、育毛に関するメリットもデメリットもあるけど、効果が大きく出るにはかなりの量のコーヒーを飲む必要があるように思います。
コーヒーがあまり好きではないのであれば、飲む必要はありませんし、コーヒーが好きであれば、今まで通り飲むといいのではないでしょうか。
育毛に関する効果は確かにあると思いますが、メリットにしろ、デメリットにしろ、コーヒーに期待するほどの効果を感じるまではないというのが当サイトの結論です。