海藻だけじゃない!育毛、発毛を促してくれる栄養満点の食事とは
生きていく上で欠かせない食事を見直すことは、育毛、発毛において有効な習慣のひとつになります。
食べ物から摂取している栄養素がカラダを作るように、毛髪も食べ物から摂取している栄養素で作られるからです。
また、毛髪を作る栄養素を摂取しても、頭皮や毛髪まで届かなければ効果はあまり感じられないことでしょう。
育毛、発毛を促してくれる栄養満点の食事をご紹介します。
この記事の目次
育毛、発毛を促してくれる栄養素とは
育毛、発毛にいいと言われる食べ物のことを何かしら知っていると思います。
代表的なのは、ワカメ。
しかし、ワカメなどの海藻類が育毛、発毛にいいという医学的な根拠はないようです。
海藻類は各種ミネラル類や食物繊維を豊富に含んでいますので、健康のためにはいい食べ物なのですが、毛髪の主成分であるタンパク質は少ししか含まれていません。
こうした理由から間接的には何かしらの作用をするかもしれませんが、直接的に育毛、発毛に関わる食べ物ではないと言われています。
また、亜鉛が育毛、発毛にいいと聞いたことがある人もいるかもしれません。
たしかに亜鉛は、育毛、発毛に関係する栄養素のひとつですが、亜鉛ばかり摂取しても育毛、発毛の効果を実感することは難しいでしょう。
食べ物からカラダを作ったり、育毛、発毛を促進するということは、バランスの良い食事をすることで栄養素の相乗効果をもたらし、カラダ中に送り届けることが必須になってきます。
育毛、発毛に直接働きかける栄養素をご紹介していきます。
1.タンパク質
発毛、育毛を考えた時に、一番大切なのはタンパク質。
毛髪は95%がタンパク質で出来ているので、良質なタンパク質を摂取することが健康な毛髪を育てたり、発毛させるためには必要です。
どんなタンパク質でもいいかというとそうではなく、ケラチンと呼ばれるタンパク質が毛髪を作っていますので、ケラチンを構成する18種類のアミノ酸を摂取することが大切です。
ケラチンは、主にシスチン、グルタミン酸、アルギニン、グリシン、ロイシンが構成の多くを占めています。
また、必須アミノ酸であるロイシン、トレオニン、バリン、フェニルアラニン、リジン、イソロイシン、メチオニン、ヒスチジン、トリプトファンの9種類も含まれています。
この9種類の必須アミノ酸は、体内で作られませんので食事などから摂取する必要があります。
特にケラチンの主要成分であるシスチンは、カラダの代謝を助けるアミノ酸の一種であるシステインが酸化することでシスチンになりますが、日常の食事では多量に摂取することが難しいので不足しやすいアミノ酸です。
シスチンやシステインが不足すると、毛髪が細くなったり、切れやすくなったり、抜けやすくなったりします。
タンパク質が豊富な食べ物は、牛肉・豚肉・鶏肉・玉子・乳製品・ウニ・カニ・牡蠣・アワビ・大豆製品・ジャガイモなどです。
2.ビタミン
ビタミンは全部で13種類ありますが、どれかひとつを摂取すればいいというものではなく、ビタミン同士がそれぞれを補いあって働いているので、すべてのビタミンをバランス良く摂取することが大切です。
その中でも、普段の食生活で不足しがちになるのがビタミンB群。
甘いものや脂っこいものを食べた時にカラダの中に残らないよう、必要な栄養素になるよう代謝が起こりますが、その代謝が起こったときにビタミンB群が大量に消費されます。
そうやってビタミンB群が大量に消費され不足してくると、口内炎や皮膚の炎症、ヘアサイクルの乱れ、抜け毛の増加、新陳代謝の悪化などの不調を引き起こします。
ビタミンB群の中でも、ビタミンB2とビタミンB6は毛母細胞に働きかけ、発毛や育毛に効果を発揮し、ビタミンB7(ビオチン)は、毛髪や頭皮の健康を維持してくれますので、積極的に摂取したい栄養素です。
他にも、頭皮の環境を健康に保ってくれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなども積極的に摂取したい栄養素です。
ビタミン類が豊富な食べ物は、魚・卵・緑黄色野菜・ナッツ類・レバー・うなぎ・乳製品・果物・緑茶・大豆などです。
3.ミネラル
ミネラルは体内で生成することができず、食べ物から摂取する必要がある栄養素です。
ミネラルの働きは、食べ物から摂取した栄養素を細胞に吸収させるための代謝を促進する酵素を活性化させるものです。
カラダの中にミネラルが不足していると、栄養素を吸収することが難しくなるので、頭皮の環境が悪化したり、毛髪が育たなかったり、生えてこなかったりするのです。
ミネラルには多くの種類がありますが、抜け毛、薄毛に関係するミネラルは、亜鉛、ヨウ素、カルシウム、鉄分、マグネシウム、銅、セレニウムなどがあります。
特に亜鉛は、5αリダクターゼを抑制する働きがあり、抜け毛を防ぐばかりか、抗酸化作用や免疫機能の活性化、新陳代謝などに必要なミネラルです。
他にも、抜け毛を減らすミネラルとして、カルシウム、鉄分、マグネシウム、銅、セレニウムがあり、育毛、発毛を促進するミネラルとして、ヨウ素があります。
ミネラルを豊富に含む食べ物は、海藻類・牡蠣・納豆・玄米・大豆・ゴマ・ナッツ類・レバー・緑黄色野菜などです。
4.抗酸化成分
現代人の生活習慣では、過剰に増えてしまいがちな活性酸素。
正常な量であれば、カラダを健康に保つために働いてくれる無くてはならないものですが、過剰に増えすぎると健康な細胞を攻撃したり、脂質と結びついて細胞の働きを低下させ老化を促進します。
カラダは過剰に増えてしまった活性酸素を除去しようと働きますが、その時に毛髪の生成に必要なアミノ酸を大量に消費してしまいますので、毛髪が栄養不足に陥り弱々しくなったり、頭皮が老化して、抜け毛、薄毛を促進させてしまうことにもなります。
抗酸化成分が含まれた食べ物を食べることで、過剰に増えてしまった活性酸素を除去することが出来ますので、薄毛、抜け毛の予防につながります。
抗酸化成分は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、リコピン、セサミン、アスタキサンチン、フコイダンなどがあります。
抗酸化成分を豊富に含む食べ物は、トマト、鮭、大豆、ゴマ、昆布、黒酢、赤ワイン、緑茶、緑黄色野菜・レバー・柑橘類・乳製品などです。
育毛、発毛を促してくれる食べ物
栄養素別に食べ物をご紹介してきましたが、数が多いので育毛、発毛を促してくれる代表的な食べ物10個をあらためてご紹介します。
納豆
納豆は、タンパク質、亜鉛、ビタミンB2を含み、イソフラボンがテストステロンの分泌を抑制したり、ナットウキナーゼが血液をサラサラにすることで血行を促進してくれる効果がある育毛、発毛にとって毎日食べた方がいい食べ物です。
牡蠣
牡蠣は栄養素をバランス良く多く含んでいますので、海のミルクと言われています。
18種類のアミノ酸、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、亜鉛、鉄分、カルシウム、タウリンなど、抜け毛を防ぎ、育毛、発毛にいい栄養素を多く含んでいます。
特に亜鉛は、男性に不足しやすい栄養素と言われていますので、食べ物の中で一番多く亜鉛を含む生牡蠣を食べることが育毛、増毛につながります。
ナッツ類
ナッツ類はビタミンやミネラルを豊富に含んだ食べ物です。
アーモンドには、ビタミンE、ビタミンB2、ビタミンB1、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅などが含まれています。
ピーナッツ(落花生)には、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB6、鉄分が含まれ、薄皮にはレスベラトロールという抗ガン作用、美肌効果、アンチエイジングなどの作用を持つポリフェノールが含まれています。
カシューナッツには、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB1、ビタミンB6、亜鉛、マグネシウムなどが含まれています。
ヘーゼルナッツには、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム、鉄分などが含まれています。
この他にもナッツ類に共通しているのは、オレイン酸という不飽和脂肪酸で血液中の悪玉コレステロールを減らしたり、毛髪の生成に必要なタンパク質を含んでいますので、薄毛、抜け毛対策には不可欠な食べ物です。
レバー
レバーは鉄分を豊富に含む食材ですが、ビタミン類も豊富に含むため、血行促進や抗酸化作用、免疫力向上など抜け毛、薄毛対策を強力にサポートしてくれる食べ物です。
鉄分、亜鉛、タンパク質、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6、ビオチン(ビタミンB7)、ビタミンB12、葉酸、カルシウム、マグネシウムなどが含まれています。
柑橘類
柑橘類はビタミンを豊富に含んでいますが、5αリダクターゼの抑制効果や血行促進効果もある食べ物です。
ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB9、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンP、亜鉛、リモネン、クエン酸、アミノ酸、タンパク質などが含まれています。
この中でも、ビタミンPは血液をサラサラにし毛細血管を強くし、壊れやすいビタミンCを守る働きがあり、リモネンは亜鉛と並んで5αリダクターゼの抑制効果を持ち、クエン酸とアミノ酸は亜鉛の持つ毛髪の成長効果をサポートする働きがあります。
うなぎ
うなぎは夏バテ防止に食べるイメージがありますが、育毛、発毛にいい栄養素を多く含んだ食べ物です。
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、亜鉛、鉄分、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などが含まれています。
この中でも、DHAやEPAは血液をサラサラにしてくれ血行促進を促してくれますし、亜鉛や鉄分も豊富に含んでいます。
パプリカ
パプリカは、赤、黄、オレンジなど8種類のカラフルなナス科トウガラシ属の野菜です。
色の違いで含まれている栄養素にも違いがあります。
赤パプリカはカプサイシン、黄パプリカはビタミンC、オレンジパプリカはビタミンC、ビタミンE、βカロテンが他の色と比較して豊富に含まれています。
パプリカに共通して含まれているのは、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンP、カルシウム、マグネシウム、βカロテン、フラボノイド、葉酸などです。
この中でも、βカロテンやフラボノイドは抗酸化作用を持ち、ビタミンCを守る働きをしてくれます。
緑黄色野菜
バランスのいい食事と言われた時に、必ず入るのが緑黄色野菜。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれているため、カラダの健康を考えた時に外せない食べ物です。
代表的な緑黄色野菜は、ニンジン、ほうれん草、春菊、小松菜、ニラ、カボチャ、ブロッコリー、アスパラガス、ピーマン、トマトなどがあります。
乳製品
牛乳やチーズは、タンパク質が豊富に含まれていて育毛、発毛にいい食べ物として紹介されることも多いのですが、逆に摂取しすぎることで抜け毛、薄毛を促進してしまう食べ物としても紹介されることが多い食べ物です。
タンパク質、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、葉酸などが含まれています。
乳製品は栄養素を多く含む食べ物ですので、食べ過ぎに注意すれば育毛、発毛に効果的な食べ物です。
イワシ
和食では馴染み深いイワシですが、実は育毛、発毛に必要な栄養素を豊富に含んだ食べ物なんです。
タンパク質、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB6、ビオチン(ビタミンB7)、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅、ヨウ素、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などが含まれています。
この他にも毛髪の成長や育毛に必要なシステインの原料となる栄養素であるメチオニンが豊富に含まれています。
血行を促進してくれる食べ物
育毛、発毛に必要な栄養素を含む食べ物をご紹介してきましたが、せっかく摂取した栄養素が頭皮まで送り届けられなければ意味がありません。
栄養素は血液で運ばれますので、血行を促進してくれる食べ物もあわせてご紹介します。
血行を促進してくれる代表的な栄養素は、ビタミンE、ビタミンC、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB12、葉酸などがあります。
血行を促進する栄養素を多く含む食べ物は、パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、うなぎ、アーモンド、チョコレート、ニンニク、干し椎茸、味付け海苔、カボチャなどがあります。
育毛、発毛に良い食事習慣
食べ物に気を配っても食事習慣が乱れていると、栄養をちゃんと代謝できないカラダになってしまいます。
次のようなことを心掛けて食事をしてみてください。
- 栄養バランスのいい食事
- 食べ過ぎない
- 寝る3時間前までに食べ終わる
- 油っこいものは少量にする
- 食事制限のダイエットはしない
- 出来れば外食の回数を少なくする
- お酒は飲み過ぎない
自由に食事をしたいと思われるかもしれませんが、食事習慣がもたらす抜け毛、薄毛の進行は意外と影響力が大きいものです。
抜け毛、薄毛を予防するためにも、食事習慣を見直してみましょう。
まとめ
育毛、発毛に効果のある食べ物や食事習慣をご紹介してきましたが、薬や育毛剤と違って効果に即効性はありません。
しかし、抜け毛や薄毛の原因のひとつには確実になっていますので、食生活を見直すことで抜け毛や薄毛の進行を阻止する一旦を担えます。
毛髪もカラダの一部ですので、健康な頭皮や健康な毛髪を形作る栄養と食事習慣を続けることで、新しく生えてくる毛髪もゆっくりと増えてくるのではないでしょうか。