わさびと豆腐で育毛?一緒に食べることで相乗効果が生まれる
キムチなどの辛味成分であるカプサイシンと、大豆などに含まれる大豆イソフラボンが育毛に効果があるということは有名な話です。
ところが、わさびと豆腐を一緒に食べることで育毛に相乗効果が生まれるという研究結果が発表されました。
わさびが持っている育毛効果とは何か、豆腐が持っている育毛効果とは何か、わさびと豆腐の育毛研究はどんなことをしたのかをご紹介します。
わさびの育毛効果
出典:山本食品
日本人には馴染みの深いわさびですが、薬味として食べるだけで育毛に効果が期待出来るとは思っていない人が多いのではないでしょうか。
わさびのことを調べてみると、「わさびスルフィニル®」という成分がさまざまな効果を持っていて、その中の2つが育毛に効果を期待できそうです。
それぞれ見て行きましょう。
抗酸化作用
抜け毛を増やし、薄毛を進行させる大きな原因のひとつして活性酸素が挙げられます。
活性酸素は、カラダの中に侵入した細菌やウイルスを退治する大切な働きを持っているのですが、活性酸素が過剰に発生してしまうと健康な細胞や血管を攻撃してしまい、毛母細胞の働きが低下して抜け毛が増えたり、血行が悪化して抜け毛が増えたりしてしまいます。
活性酸素が過剰に増える原因として、喫煙、紫外線、運動不足、食生活の乱れ、生活習慣の乱れ、ストレスなどが挙げられます。
過剰に増えた活性酸素を除去してくれるのが、抗酸化作用を持った食品などですが、わさびは増えた活性酸素を除去するのではなく、そもそもの過剰な発生を抑制する抗酸化作用を持っています。
6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート(6-MSITC)にはこの過剰な活性酸素の発生を抑える作用があります。
出典:金印わさび機能性研究所
増えたものを除去するより、そもそもの発生を抑制する方がカラダが受けるダメージは低いので、わさびが持っている抗酸化作用はとても効果が高いと言えます。
血流改善作用
育毛のためには血行を促進させることが大切な育毛対策になります。
髪の毛が新しく生えてきたり、今ある髪の毛が成長するためには、毛母細胞や毛乳頭細胞に酸素や栄養素が行き届く必要がありますが、酸素や栄養素は血液によって運ばれてきます。
血行が悪くなっていると、十分な酸素や栄養素が毛乳頭細胞に届かないので、毛母細胞が栄養不足となり、髪の毛が健康に成長できず、抜け毛が増えてしまうのです。
本わさびには血行を促進させる効果があります。
本わさびを食べて1時間後には14人中13人で血流がアップしました。
出典:金印わさび機能性研究所
上記は、2006年11月に開催された日本ヘモレオロジー学会で発表された金印株式会社と東海学園大学との共同研究として発表されたデータです。
豆腐の育毛効果
出典:大人すはだ
豆腐は原料が大豆なので、育毛に効果が期待出来る食べ物として有名です。
豆腐には大豆イソフラボンとレシチンとビオチンという3つの育毛に効果が期待出来る成分が豊富に含まれています。
豆腐が持っている育毛効果をそれぞれ成分ごとに見て行きましょう。
大豆イソフラボン
豆腐に含まれる大豆イソフラボンは、抗酸化作用を持っていて過剰に増えた活性酸素を除去する働きを持っています。
現代に生きていると、どうしても活性酸素が過剰に発生しやすくなっていますが、増えた活性酸素を除去してくれるので、育毛に効果が期待出来ます。
また、大豆イソフラボンには女性ホルモンであるエストロゲンと似たような働きをしてくれますので、AGAの原因と言われているジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する効果があると言われています。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、男性ホルモンであるテストステロンと還元酵素である5αリダクターゼが結合して出来る強力な男性ホルモンで、毛乳頭に存在する男性ホルモン受容体と結合することでTGF-βという増殖抑制因子を発生させ、毛母細胞の活動を低下させることで薄毛を進行させます。
大豆イソフラボンが女性ホルモンであるエストロゲンと似たような働きをすると、男性ホルモンとのバランスが整い、ジヒドロテストステロン(DHT)が増えるのを抑制するのです。
レシチン
レシチンは細胞を包んでいる細胞膜の主成分であり、新陳代謝を促し、細胞分裂を活発にする働きを持っています。
髪の毛を生み出す毛母細胞は、カラダの中でも最も活発に細胞分裂を行なう細胞のひとつなので、レシチンを摂取することで毛母細胞の活動を促進出来ます。
また、レシチンはコレステロール値を下げるので血液をサラサラにして血行を促進したり、肌を健康に保ったり、肝機能を高めたりする働きを持っています。
肌を健康に保つことは、頭皮の環境を健康に保つことに繋がりますので、育毛に効果が期待出来ますし、肝臓は髪の毛の主成分であるアミノ酸を合成する臓器ですので、肝機能が高まれば育毛に効果が期待出来ます。
ビオチン
ビオチンは、ビタミンB7とも呼ばれていて亜鉛の働きをサポートする働きを持っています。
亜鉛は、育毛のためには必須だと言われているミネラルで、AGAの原因である5αリダクターゼの働きを阻害する働きを持っていますし、亜鉛とビオチンがケラチンという髪の毛を構成しているタンパク質の合成を促進してくれます。
また、ビオチンは毛細血管を強くすることで血行を促進させる働きを持っていたり、コラーゲンの生成をサポートする働きを持っていますので、紫外線や乾燥などでダメージを受けた肌を健康に戻すサポートをします。
わさびと豆腐で育毛出来た研究結果
出典:おっさんひとり飯
ここまで、わさびと豆腐のそれぞれが持っている育毛効果をご紹介しました。
単体でも十分な育毛効果があることがわかりますが、一緒に食べることで効果が高まることが予想出来ます。
名古屋市立大学大学院の岡嶋研二教授が、わさびフォーラムで発表した研究結果によると75%の人に育毛の効果が見られたそうです。
30~50代の男女12人に、和わさびの香り成分「わさびスルフィニル」を1日1ミリグラムを飲んでもらったといいます。
さらに豆腐にも多く含まれている「大豆イソフラボン」を1日75ミリグラムを摂ってもらい、それを6ヶ月の間継続して行ったといいます。
その後、前後の写真を見比べたところ、12人のうち9人が目で見てわかるほど髪の毛が増えたようです。
出典:新橋ファーストクリニック
本わさびの香り成分を摂取することで知覚神経が刺激され、成長因子であるIGF-1が増えることで育毛に繋がったとのことです。
IGF-1とは、細胞の成長や活動を活性化する働きを持っているタンパク質で、毛乳頭細胞に多数存在していて、毛母細胞に発毛指令を出す成長因子のことです。
IGF-1が増えるだけでも育毛に効果が期待出来るのですが、実は大豆イソフラボンにはIGF-1の働きをサポートする効果があります。
IGF-1を活性化させるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質があるのですが、量に限りがあって使い切るとIGF-1も活性化されなくなってしまいます。
大豆イソフラボンは、減ってしまうCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)を唯一増やすことが出来る成分なので、わさびと豆腐を一緒に食べることは成長因子であるIGF-1を活性化することにもなって、育毛に相乗効果が見込めるのです。
まとめ
わさびと豆腐の育毛に関する相乗効果をご紹介しました。
冷奴を食べる時の薬味としてわさびを付けることが多いと思いますが、少し量を増やすことで育毛に効果が期待出来そうです。
もちろん、それぞれ別々に食べても育毛効果は期待出来るのですが、やはり相乗効果を狙った方が育毛には効果的に感じます。
ただ、わさびの育毛成分である「わさびスルフィニル®」は本わさびに含まれている成分で、市販されているチューブのわさびにはあまり含まれていないそうです。
入手するのが難しいかもしれませんが、本わさびを手に入れて食べるたびに擦って食べる必要があります。
育毛のためには手間を惜しまず、本わさびと豆腐を食べると効果が期待出来るかもしれません。